薬理

薬物の吸収について(酸性?塩基性?)

koro

薬物の吸収に関する基本知識

ころちゃん先生:今回は薬物の吸収についてお話ししましょう。薬物は体内に入ると、その性質によって吸収される場所が異なります。

弱酸性の薬物は酸性の環境、弱塩基性の薬物は塩基性の環境で吸収されやすいですね。

生徒さん:先生、薬物ってなんでそういう性質があるんですか?

薬物の性質による吸収の違い

ころちゃん先生:いい質問ですね!

例えば、薬物が水に溶けやすいか脂に溶けやすいかによって、吸収される場所が変わります。

・水に溶けやすい薬物は、水分が多いところで吸収されやすく、
・脂に溶けやすい薬物は、脂分が多いところで吸収されやすいんです。

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生徒さん:なるほど、それで弱酸性の薬物は酸性の胃で、弱塩基性の薬物は塩基性の小腸で吸収されやすいんですね。

ころちゃん先生:そうです!

そして、薬物はイオン型と非イオン型の2つの形態があります。イオン型は水溶性で、非イオン型は脂溶性です。非イオン型の薬物は生体膜を通過しやすいため、口腔粘膜や小腸などの粘膜から吸収されやすいですね。

薬物代謝の影響

生徒さん:先生、薬物が体内でどうやって代謝されるんですか?

ころちゃん先生:薬物は主に肝臓で代謝されます。シトクロムP-450という酵素が薬物を分解し、無害なものに変えたり排出しやすい状態にするんです。

また、薬物は血漿タンパク質(アルブミンなど)に結合して運ばれますが、結合している状態では効果が発揮できません。
つまり、タンパク質に結合していない遊離型の薬物が効果を発揮するんですね。

薬物の排泄方法

生徒さん:先生、薬物が体内で代謝されたら、どうやって排泄されるんですか?

ころちゃん先生:薬物は主に尿として排泄されます。利尿作用が促進されると、薬物は尿と一緒に排出され、効果が減少します。また、薬物を再吸収しないで尿中に排泄するためには、腎尿細管での吸収を減らす必要があります。

例えば、アセチル化やグルクロン酸抱合によって薬物が不活性化され、尿中に排泄されます。

薬物の吸収と代謝の関係

生徒さん:先生、薬物の吸収と代謝の関係ってどうなんですか?

ころちゃん先生:薬物の吸収と代謝は密接に関連しています。例えば、薬物が血中に遊離型と結合型の2つの形で存在しますが、遊離型の薬物が薬効を示します。遊離型の薬物を増やすことで、薬物の効果を増強することができます。また、血漿タンパク質が減少すると、遊離型の薬物が増加し、薬物の効果が増強します。

生徒さん:薬物の吸収と代謝がうまくいくと、薬物の効果が上がるんですね。

ころちゃん先生:そうです!ただし、タンパク結合型の薬物は、血中から細胞内に移動できず、排泄されないため、効果を示すことができません。薬物の吸収と代謝のバランスが大切ですね。

まとめ

ころちゃん先生:それでは、今回のお話をまとめましょう。

薬物の吸収は、その性質によって異なります。弱酸性の薬物は酸性の胃で、弱塩基性の薬物は塩基性の小腸で吸収されやすいです。また、薬物の代謝と排泄は肝臓や腎臓で行われ、遊離型の薬物が薬効を示します。薬物の吸収と代謝のバランスが適切であることが、薬物の効果を最大限に発揮させるために重要です。これらの知識を持つことで、薬物の働きを理解しやすくなりますね。

生徒さん:先生、今日は本当に勉強になりました!

  1. 薬物の吸収は、その性質によって異なる(弱酸性の薬物は酸性の胃で、弱塩基性の薬物は塩基性の小腸で吸収されやすい)。
  2. 脂溶性の薬物は生体膜を通過しやすく、口腔粘膜や小腸などの粘膜から吸収されやすい。
  3. 薬物の代謝は主に肝臓で行われ、シトクロムP-450という酵素が関与する。
  4. 薬物は血中で遊離型と結合型の2つの形で存在し、遊離型の薬物が薬効を示す。
  5. 薬物の排泄は主に尿として行われ、腎臓での吸収を減らすことが重要。
  6. アセチル化やグルクロン酸抱合によって薬物が不活性化され、尿中に排泄される。
  7. 薬物の吸収と代謝のバランスが適切であることが、薬物の効果を最大限に発揮させるために重要。
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歯科医師・歯学博士
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