これだけでOK!翼口蓋窩
- 翼口蓋窩が大事なのは知ってるけど、どこから手をつけていいのか分からない
- 必要最小限の情報がどこか知りたい
解剖の中で一番難しいところ、皆さんにとってはどこでしょうか?
それは『翼口蓋窩』じゃないですか?
(異論はあるでしょうけど。)
この翼口蓋窩のページは、本当に力を込めて制作しました!
従来、配布していた資料を一から見直して、
無駄なところと重複しているところを全削除しました。
結果的にこれまでの半分以下の分量になりました。
少なくなったのはいいけど、大事なところは漏れてないの?
そういったツッコミがきそうなので、以下の点に注意して資料を作成しています。
- 大事なところはどこか?
- いつも聞かれているところはどこか?
- 合格レベルの受験生が、すぐに答えられそうか?
歯科国試の王道はみんなが出来ている場所を、いかに取りこぼさないかだよね?
翼口蓋窩は非常に需要な項目です。
調べたらたくさん情報が出てきますよね?
そうそう。結局めんどくさくなって、丸暗記になるんよ。
ですのでこの記事では
3つのステップに分けて解説していきます。
この3ステップに沿って解説していきます!
難しい内容は小さなステップを重ねていくことが近道だよ!
翼口蓋窩の場所と構成する骨
まずは翼口蓋窩の場所から!
下の写真の白矢印の場所です。
隙間が空いていますね。ここが翼口蓋窩です。
では翼口蓋窩を構成している骨は何骨でしょうか?
重要なことは、3つの骨から作られているという点です。
翼口蓋窩を構成する骨は「蝶形骨」「上顎骨」「口蓋骨」の3つ
- 上:蝶形骨
- 前:上顎骨
- 後:蝶形骨の翼状突起
- 内側:口蓋骨の垂直板
こういう一見すると簡単な知識は、あとでとても有用になってくるよ。翼口蓋窩で言えば、走行する神経や脈管について記憶しやすくなるよ!
翼口蓋窩「入っていくもの」「出ていくもの」
翼口蓋窩はたくさんの神経や脈管が集合します。
だから難しいんですよね。
やっぱり丸暗記するしかないの?
うーん。
正直な話をすると、結局暗記なんだ。
だけど、今から伝えるポイント押さえると知識が整理されやすくなるから覚えやすくなるよ!
そのポイントは、
翼口蓋窩に「入っていくもの」と
翼口蓋窩から「出ていくもの」
に分けてみる、ということです
翼口蓋窩へ入っていくものは3つあります。
1 正円孔→蝶形骨
2翼突管→蝶形骨
3口蓋骨鞘突孔
ステップ1で解説した翼口蓋窩を構成するものを思い出してほしいのですが、
翼口蓋窩の上方と後ろは蝶形骨が構成していましたね。
だから、正円孔と翼突管を経由して翼口蓋窩へ神経や脈管が入ってくるということがイメージできると思います。
ちなみに口蓋骨鞘突孔は細かすぎる知識なので、優先順位は低めです。
まずは、正円孔と翼突管を覚えてください。
次は翼口蓋窩を通過するものです。
これも3つあります。
1 下眼窩裂→眼窩へ続く
2蝶口蓋孔→鼻腔へ続く
3大口蓋管→口腔へ続く
上記の3つは非常に重要です。
どの3つも国試で頻出だからですね!
特に「どこへ続いているのか?」は必ず押さえるようにしてください!
何が通過するのか?
ステップ2までおさえたら、あとは暗記作業!
どこを覚えたらいいのかポイントをピックアップしながら解説していくよ!
まず最初は正円孔!これは翼口蓋窩へ入っていくものでしたね。
そして正円孔は蝶形骨にあります。
正円孔を通過する神経は三叉神経の上顎神経です!
(ちなみに蝶形骨にある卵円孔は三叉神経の下顎神経が通過します。これも超頻出ですね。)
次は翼突管です。
これもさっきの正円孔と同じで、翼口蓋窩へ入っていくものでしたね。
翼突管は蝶形骨にあります。
蝶形骨を前から見たときに、正円孔のそばにあります。(下図)
うわぁ。情報量多すぎ、、
そうだよね。この図は情報量が多いよね。
ポイントは、
・卵円孔のそばに翼突管があること
・2つとも翼口蓋窩へつながっていること
を押さえたら大丈夫だよ!
また翼突管を走行する神経は、
翼突管神経です。
この神経は、多くの受験生を悩ます神経です。
理由は2つの神経が合わさったものだからです。
顔面神経の大錐体神経
交感神経の深錐体神経
この2つが合わさって翼突管神経となります。
そしてこの翼突管神経が、さっきのイラストの翼突管を通って、翼口蓋窩へ抜けていきます。
ここは難しかったよね。
多くの受験生が丸暗記してしまう箇所だから、イラストと合わせて理解しておくと差がつきやすいよ!
次は下眼窩裂です。
ここを通過するものは非常に多いです。
頻出なものをピックアップします!
まず、眼窩下神経ですね!もはや説明不要なくらいよく出ますよね。この眼窩下神経は下眼窩裂を通過します。
次に、眼窩下動脈です。
この2つは最低限押さえてください。というか、点知識としてあるけど線知識になっていない、という状態の方が多いと思います。
翼口蓋窩に関連させて眼窩下神経と眼窩下動脈を繋げてください。
このような線知識をどんどん増やしていけば、暗記する量が減るので、勉強するのが楽になっていきます。
4つ目は蝶口蓋孔です。
ここで大事になるのは
蝶口蓋孔は鼻腔へとつながっているということです。
ここを押さえておけば、あとは後述する翼口蓋窩に関連する顎動脈を追加するだけで十分です。
いよいよ最後です。
最後は大口蓋管です。
大口蓋管を通って大口蓋孔に大口蓋神経は抜けていくんですけど、
そもそも大口蓋孔の場所は大丈夫ですか?
下図の4を確認してください。
大口蓋孔は上顎骨と口蓋骨の間にある孔ですね!
意外と忘れちゃうんで確認しておいてください。
大口蓋管を走行する神経は、大口蓋神経です。
これは三叉神経の上顎神経の枝ですね!
どこに分布するか?も頻出なので合わせて押さえておきましょう!
大口蓋神経は硬口蓋に分布します。
そして知覚を司っています。
ついでに小口蓋神経もやっておきますが、これは軟口蓋に分布します。
顎動脈って聞くだけでアレルギーなんだけど。
ぼくもだよ!笑
ここは本当に嫌なところですよね。
もう、シンプルに覚えちゃいましょう(笑)
以下の5つです!
1. 眼窩下動脈
2. 蝶口蓋動脈
3. 翼突管動脈
4. 下行口蓋動脈
5. 後上歯槽動脈
これで翼口蓋窩の解説は終わりだよ!
長かった・・・
確かに量は多く感じたかもね。
これでもかなり情報を絞ったんだけど、
それだけ翼口蓋窩は内容が深い範囲とも言えるよね。
とりあえずここの内容だけでも押さえておきます!
お疲れ様でした!
翼口蓋窩って苦手に感じる人が多い項目だけど、少しでもこの記事が理解の足がかりになったら幸いです。
以下の3ステップが非常に重要です。
最後にもう一度確認してみてください。