基礎科目

高分子印象材とは?

koro

生徒さん: 先生、歯科用の印象材って聞いたことあるけど、どんなものなの?

ころちゃん先生: そうだね、印象材は歯科医師が患者さんの歯や口腔内の形状を正確に再現するために使われる材料だよ。今日は、特に高分子印象材について話していこう!

生徒さん: 高分子印象材って何?

ころちゃん先生: 高分子印象材は、分子量が10,000程度以上の高分子化合物を主成分とする印象材のことだよ。高分子材料は、歯科領域ではゴム質印象材やハイドロコロイド系印象材、樹脂などに多用されているんだ。

高分子印象材にはいくつかの種類があるんだけど、今回は代表的なものを紹介するね。
・寒天
・アルジネート
・シリコーンゴム
・モデリングコンパウンド
についてだよ。

生徒さん: ふーん、それぞれどんな特徴があるの?

ころちゃん先生: それぞれの特徴を一つずつ説明するね。

a. 寒天
寒天は、紅藻類から抽出される天然の多糖類で、加熱で液状化、冷却で固形化する可逆性印象材だよ。水分吸収で膨張し、乾燥で収縮する性質がある。精密印象に用いられることが多いんだ。

b. アルジネート
アルジネートは、褐藻類に含まれる多糖類で、水と反応して硬化する不可逆性印象材だよ。安価で取り扱いが容易だけど、細部再現性が低く、歪みが生じやすいんだ。
アルジネート印象材の効果反応には、カルボキシ基が関与する。カルシウムと反応。ってところが過去に出題されたことがあるよ。

c. シリコーンゴム
シリコーンゴムは、付加重合反応や縮合重合反応で硬化する高分子印象材だよ。寸法安定性が高く、薬液浸漬消毒が可能な付加型シリコーンゴムや、石膏とのぬれ性を改良した親水性付加型シリコーンゴムなどがあるんだ。

d. モデリングコンパウンド
モデリングコンパウンドは、天然の樹脂を主成分とする可逆性印象材で、熱可塑性を示すんだ。個人トレーと併用して筋圧形成に使われることが多いけど、熱膨張係数が大きいため、口腔内から取り出すと熱収縮が生じるんだ。
大体0.3%収縮すると言われているよ。

生徒さん: なるほど、それぞれの印象材には特徴があって、使い分けが大切なんだね。
でも熱可塑性って、なんかよくイメージできないや。

ころちゃん先生:熱可塑性を例え話で説明すると、チョコレートが良い例になるかもね。

チョコレートは、室温で固まっていますが、熱を加えると溶けて流動性のある液体状態になるよ。そして、再び冷やすと、元の固体状態に戻る。この性質が、熱可塑性なんだ。

熱可塑性のある材料は、熱を加えることで柔軟になり、形状を変えることができる。
そして、冷却すると、新しい形状を保持したまま固まる。

この性質は、歯科分野で用いられる寒天やモデリングコンパウンドなどの印象材にも見られるよね。
熱可塑性印象材は、熱を加えることで口腔内の形状に合わせて変形し、冷却後にその形状を維持することができるんだ。

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ころちゃん
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歯科医師・歯学博士
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