帯状疱疹とハント症候群はどんな疾患なのか?
先生:こんにちは、今日は帯状疱疹について話しましょう。帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で起こる感染症です。
ウイルスの英語名は “Varicella-zoster virus” で、カタカナでの読み方は「ヴァリセラ・ゾスターウイルス」です。
ウイルスは空気感染、飛沫感接触感染で広がります。
・初感染では水痘(水ぼうそう)を発症し、その後ウイルスが神経節に潜伏しています。
・免疫力が低下すると、帯状疱疹が発症することがあります。
生徒:帯状疱疹は、どの年齢層に多いんですか?
先生:水痘は主に2~8歳の子供に多いですが、帯状疱疹は50~60代の方によく見られます。帯状は、肋間神経と三叉神経走行領域と一致した皮膚・粘膜に好発します。特に三叉神経では第1枝領域で多く見られます。
生徒:帯状疱疹になるとどんな症状が出るんですか?
先生:まず、片側の神経支配領域(肋間神経、三叉神経)に強い神経痛様症状が生じます。その後、同部位に帯状の発疹・水疱が出現します。顔面神経領域に感染が波及すると、Hunt症候群という症状が出ることがあります。
Hunt症候群
- 末梢性顔面神経麻痺:顔面神経が機能しなくなり、顔の一部が動かなくなる。
- 外耳道付近の水疱:外耳道の周辺に水疱が発生する。
- 難聴:感染が内耳に広がり、聞こえにくくなる。
- めまい:内耳の感染により、平衡感覚が狂いめまいが起こる。
生徒:ハント症候群って怖いですね。帯状疱疹はどうやって診断されるんですか?
先生:帯状疱疹の診断は、主に症状と臨床検査所見をもとに行われます。抗VZV抗体価の上昇や、擦過細胞診でウイルス封入巨細胞を認めることがあります。
生徒:治療はどのように行われるんですか?
先生:帯状疱疹の治療には、抗ヘルペスウイルス薬(アシクロビル、ビダラビン、ファムシクロビルなど)が投与されます。疼痛に対しては、NSAIDsや知覚神経ブロック療法が用いられることがあります。
ハント症候群の場合は、副腎皮質ステロイドや星状神経節ブロックが行われることもあります。
生徒:帯状疱疹についてよくわかりました!先生、ありがとうございました!
- 帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で起こる感染症である。
正解:〇
解説:帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で発症します。初感染では水痘(水ぼうそう)が発症し、その後ウイルスが神経節に潜伏します。免疫力が低下すると、帯状疱疹が発症することがあります。
- 帯状疱疹は、主に20代の若い人に多い。
正解:×
解説:帯状疱疹は、主に50~60代の人に多く見られます。水痘は2~8歳の子供に多いですが、帯状疱疹は年齢が上がるにつれて発症する可能性が高くなります。
- ハント症候群の場合、治療として副腎皮質ステロイドが使用されることがある。
正解:〇
解説:ハント症候群の場合、副腎皮質ステロイドが投与されることがあります。これは、炎症を抑える作用があるため、症状の改善に役立ちます。また、星状神経節ブロックも行われることがあります。